内蒙古紀行の続きであります。

内蒙古自治区に入って三日目、
包頭市郊外、クブチ沙漠での植林ボランティア活動を終えたわたくしは、
今回はじめて・・・
62bbe8f3.jpg
そう、チンギス・ハーンの御陵!(とまあ、一応いわれているところ)
へ行ったのであります。ややきっぱりと・・・困った

ま、チンギス・ハーンの死亡場所や埋葬場所などについては諸説あり、
遠征中に戦死したとか、帰国して病死したとか、死亡原因にも諸説あるようで・・・
そのおかげで、内蒙古だけでもあちこちに・・・
元祖・成吉思汗陵
本家・成吉思汗陵
総本家・成吉思汗陵
正真正銘・成吉思汗陵
新発見・成吉思汗陵
不思議発見・成吉思汗陵
裏・成吉思汗陵
袋とじ・成吉思汗陵
とかが、あるのであります。あ、あるわけないでしょうがぁ、裏とか袋とじとか・・・

しかも、モンゴル国でも、
我が国こそ、本家チンギス・ハーンの国である。
と、ものすごいキャンペーンが、建国800年記念で行われており、
ウランバートルには、巨大なモニュメントもできてました。
わたくし、こういったあやしげな競争は、大好きなのであります。
ま、モンゴルでも内蒙古でも、民族の英雄としてチンギス・ハーンを讃えることは長い間、ご法度とされてきたようですし、自分たちのモンゴル文字ではなく、かたやキリル文字、もう一方は漢字の使用を強制されてきたのですから、お互い民主化によって、おおっぴらに自慢しあえるのは、武力で争うより、ずっとずっといいことだと思っています。
ちなみに内蒙古でも最近、モンゴル語を義務教育から教えるようになったようです。

で、今回の訪問地は、遠征からの帰国途中で、チンギス・ハーンが倒れた場所、あるいは休憩場所とされているようで、ここに埋葬されたという説が中国では多数説のようであります。

今の内蒙古では、チンギス・ハーンは、
中国の、元の時代の皇帝ということで、祀られております。
わたくしよりずっと以前から植林に来てる隊員に聞くと、
もっとみすぼらしくて、ちっちゃな御陵だった、ということでありますが・・・
じゃーん
b9196e1d.jpg
こっ、こんなのが800年前からあったのかっ
広大な駐車場から、はるか向うにかすむ御陵まで、みごとに新品同様であります。
漢民族のガイドさんによると、
「モンゴル様式と中国様式を取り入れた、民族融和の象徴のような立派な御陵」
なのだそうであります。拍手800年前から、仲がよかったのね・・・

で、中に入ると・・・
4cd2e007.jpg

62bb48a1.jpg
モンゴルの民族衣装を着た蒙古族のおねいさんが、「北京語」でガイドしてくれます。やはり800年前から北京語を・・・

で、これが本殿というか、中にチンギス・ハーンとその家族が祀られております。
f0909dea.jpg
基壇は北京の故宮や天壇公園と同じ様式の大理石、方形と円形を陰陽説によって組み合わせる中国伝統の建築様式、でも尖塔は、モンゴルのゲルになっております。
うーむ、確かに民族融和してますが・・・800年前か・・・

de6a1d06.jpg
額もちゃんと、北京語とモンゴル語の二ヶ国語表示になっております。これも800年前からあるのか・・・

98352f04.jpg
戦勝を祈願する祭壇は完璧なモンゴル式で、モンゴル国軍の紋章にもなっている、あの槍先や青い三角旗もありますが、紅旗のほうがさりげに大きいし・・・

0ba00eb6.jpg
でもここに上ってくる基壇は、北京の天壇公園と同じ陰陽説に基づく様式で、女人禁制ではありますが、蒙古族以外の女性はどんどん登ってきます。ますますあやしい。
外側もけっこうあやしかったのですが、特に撮影禁止の本殿の中はいろんな時代の文物が薄暗いなかにずらっと並べられており、どう見ても、現代絵画に見える壁画もありました。
まるで
筑波山麓、四六のガマ洞窟を国家的規模にしたようなあやしさでありました。にっこり

話を戻してと・・・

長大な参詣道(というのか?)の途中には、こんなものもありました。
8f15daf7.jpg
遠山先生自ら、日本で募集した第一次の植林ボランティア隊を引率して来たものの、洪水でどうしてもクブチ沙漠の緑化基地である恩格貝に入ることができず、やむを得ずここに観光に来て記念植樹したとのことでした。

当時は、ほとんど道らしい道もなく、恩格貝に入ること自体が大変だったようです。
わたくしが最初に入った時も、黄河を渡るのは、鉄のフロートを並べて板を渡しただけの浮橋で、バスを軽くするため人間は降りて徒歩で渡りましたし、沙漠の途中で何度も砂にめり込み、その都度、下車してバスを押したり、延々と歩いたりしたものです。

今では協会の数次隊だけで150次隊を超え、我々のような特別隊も含めると、数百の植林ボランティア隊が現地に入っているのですから、感慨無量であります。

ちなみに800年前からあった・・・かも知れない駐車場には、こんなクルマも・・・
803f4df2.jpg
中国との合弁企業の現地生産車らしいのですが・・・

こっ、このボディカラーは、日本で発売しないのかっ!!!ほっ、ほしい!!!
けっこう、中国のほうが迷彩ブームで、いろんなものが迷彩仕様だったのであります。