21次隊・ボルネオ5日目、サラワク州クチンからサバ州コタキナバルに来て二日目は、
朝からサバ大学(UMS)
熱帯生物保全研究所(ITBC)を訪問します。

この日はボルネオ最後、サバ州コタキナバルでは最初で最後の朝食ですので、
DSCN6500
つつましさはどこへやら・・・この後フルーツや飲み物各種も追加しましたが・・・


ここで特筆すべきだったのは・・・
DSCN6501
こちらのカレー麺・・・
スープは典型的な「東南アジアのカレー味」で麺は日本の中華麺そっくりの太麺!!!
ボルネオでは麺はビーフンに似た細麺が多かったのですが、これはまさにラーメン!!!

もともとボルネオの伝統料理は竹筒やバナナの葉に入れて蒸すか、直火で焼くのが基本。
そこにマレー半島や中国インドなどから様々な食材や調理方法が入ってミックスされたもので、わたくし大好きなんですが、麺だけは日本のラーメンの食感が好きなので、これこそわたくしの求めていたもの・・・って麺類のお話になるとキリがないので・・・
ともかくおいしかったです。

えと、何の話だっけ・・・そうそう、サバ大学訪問の話でした・・・

サバ大学UMS・・・
DSCN6818
1994年に設立されたマレーシア国立の総合大学で人文系理工系医系など10学部があり、
広大な敷地に大学院はもちろん数多くの研究所が併設されています。

上のパンフレット表紙画像はあくまでキャンパスの一部で・・・
DSCN6503
校門を入ってもはるか向こうまで車道が続き、バスかクルマでないと移動できません。


もちろん各民族のじょしだいせーのおねいさんもいっぱい・・・
DSCN6504
・・・のはずですが、なにせ広大なキャンパスで人影そのものを滅多に見かけません。


我々が向かったのはパンフレット表紙の左端にちらっと写っている・・・
DSCN6819

こちらの大きな校舎・・・は大学事務局のあった校舎で、その奥の海岸に近い校舎・・・
だったはずです・・・なにせ広大なキャンパスでよくわかりませんが・・・


そう・・・
DSCN6506
サバ大学(UMC)熱帯生物保全研究所(ITBC)であります。


さすがに中庭には・・・
DSCN6509
熱帯の動物たちが放し飼いに・・・


所長であるチャールズ教授直々のお出迎えを受け、セミナー室まで案内いただき・・・
DSCN6580


DSCN6579


所長ご本人から、大学とこの研究所についてのガイダンスを受けます。
DSCN6514
チャールズ教授は日本での研究生活も長く、わざわざ日本語の説明原稿を用意され、
パワーポイントによるレジメで分かりやすく説明していただきました。

以下、説明後のやりとりも含め簡単なメモ書きを残しておきます。
(隊員のみなさん、N村社長、間違いや補足があったらぜひコメントでご指摘ください。
わたくし昔から、講義ノートを残すことにかけては自信が・・・(以下略)
1)ITBCの研究メイン
・生物多様性
・生態学
・バイオ・ダイバーシティ
・バイオ・システマティクスなど
2)ボルネオの自然保全について調査普及啓発する「ボルネオシス」
・ネイチャーツーリズム
・子どもたちとの二泊三日の自然観察ツアーなど
・ワイルドライフリサーチ
(ラハダトゥでのテングザルの調査・キナバル山での動植物の調査など)
3)日本との連携
・JICAとの15年間の連携
・酪農大・京都大・鹿児島大・北海道大などとの共同研究
・兵庫県立「人と自然の博物館」との連携など
4)その他
・カントリートレーニングプログラム
・コンザベーションオフィサー研修の受け入れ
(ケニア・タンザニア・タイ・フィリピンなどから。CSR活動も)
5)QAなど
Q日本のN.GKSのような植林ボランティアと協力することはできないか?
・キナバタンガン川流域で植林しているが洪水もあり地元理解もなかなか得られない。
・研究所の専門的な知識や技術による指導協力もいただきたい。
・地元に大学の権威でマレー語で入ることの効果も大きいはず。
A協力する。
・実際に村に入って川の水質浄化などもやっている。
・ラハダトゥ・キナバタンガン川流域は事情があって今は行っていない。
・キナバル山の植林は行っている。
・植林は植える木の種類が重要
・川沿いならやはりマングローブだろう。(神奈川大とやっている。)
・研究所には5人の(植林の)専門家がいてクルマも4台ある。
・残業予算もあり学生も研究を兼ねて一緒に植林しているので協力できる。
・どこから始めるかがポイント。
(どのエージェンシーか、村長はよく知っている。)
・アグロフォレストリーもやっているが小規模で生産量は少ない。
・今年はエルニーニョの影響が特に大きい。
など

日本のNGOのITBC来訪は、我々N.GKS隊がはじめてとのことで、今後は協力してやっていきましょうとの力強いお言葉をいただき、T富隊長以下おおいに感激、今後の活動の実効性につながる充実したひと時でした。

説明と質疑応答の後は懇談になり・・・
DSCN6519
我々のこれまでの活動を紹介したり・・・


DSCN6518
おなじみT富隊長作品の切り絵オリジナルTシャツをプレゼントしたり・・・

所長からは現在制作中のエコシステム(ゼビセス?)をテーマにした、
わかりやすい子ども向け絵本の原画を紹介していただきました・・・
DSCN6521
12才11才6才の男の子がおられフィールドにもよく一緒に連れて行かれるとのことで、ストーリーとデッサンはすべて自作、学生たちが着色して仕上げたそうで、あとは文章さえ入ればすぐにでも出版できるのだが、なにせ多忙でなかなか文章を作る時間がないと嘆いておられました。

懇談しながら「空飛ぶ車椅子」活動で運んできた車椅子の贈呈式の準備・・・
DSCN6522
学生や院生が手伝ってくれます。


DSCN6529
日本の折りたたみ式車椅子ははじめてのようで、どうも勝手がちがうようで・・・


わたくしが組み立て方や使い方を説明・・・
BlogPaint
ほれほれ、ここを骨折してるんですよ、自転車の立ちゴケで・・・
って、立ちゴケって英語でどういえば???

と、みなさんは準備、わたくしは車椅子で遊んでると、なんと大学の副学長が到着・・・
DSCN6550
「空飛ぶ車椅子」活動をされてるT田隊員から副学長に車椅子を贈呈しました・・・

でも所長も副学長もこの活動はご存じなかったので、いまひとつ理解が・・・

そこで・・・
IMG_1525
ほれほれ、ここにシールが・・・とわたくしも説明に加わり・・・

中古の車椅子を再生して運ぶボランティア活動であることを理解していただけました。
BlogPaint
神戸市立科学技術高等学校で丁寧にメンテナンスしてくれたYuiさん、ありがとね!!!
おじさんたちが責任を持ってサバ大学の副学長に届けましたよ!!!

この後、実際に副学長にも試乗してもらいましたが、空気入りタイヤで乗り心地が良く、
折りたたみできて小型軽量、しかも新品同様に整備されて素晴らしいと大好評でした。

東南アジアではまだまだ車椅子の数が足らず、しかも年収にも相当する高額商品だそうで、ささやかながら我々もお手伝いができてよかったです。

その後は大学からお礼のプレゼントをいただいたりして・・・
DSCN6552
贈呈式はなごやかに終了。


贈呈式の後は研究所の裏山に登って・・・
DSCN6559


DSCN6560


所長自らのご指導により・・・
DSCN6561


学生たちが準備してくれてた苗木を・・・
DSCN6563
全員が1本ずつ記念植樹しました・・・
一人ずつネームプレートを書いて付けてあるので次回成長を見るのが楽しみです。

で、ふたたび研究所に戻ると・・・
DSCN6569


DSCN6570
隣のセミナー室でバイオテクノロジー講習を受けてた高校生たちがちょうど食事を終え
バスで帰るところでした。

こちらもセミナー室に戻って、手伝ってくれた学生たちと一緒に昼食をいただきます。
DSCN6573


わざわざ学生食堂から熱々の料理などをコンテナで運んでくれたようで・・・
DSCN6572
とてもおいしかったです。ええ、後で並んだ学生を押しのけておかわりするぐらい・・・


食後は研究所に併設されている「ボルネオシス」展示ギャラリーを案内いただき・・・
DSCN6581


DSCN6584
世界最大の花、ラフレシアとか・・・


DSCN6582
巨大なアリさんとか・・・って、ちとスケールが・・・


DSCN6586
巨大なアミメニシキヘビさんとか・・・
ちなみにボルネオのジャングルで一番危険なのは猛毒のヨロイハブでもマングローブヘビでもなく、南米のアナコンダより大きくなるアミメニシキヘビだそうです。かわいい顔してるのにね・・・


DSCN6585
おサルさんとか・・・


DSCN6587
ま、このあたりになるとよくわかりませんが・・・


DSCN6588
チョウチョさんとか・・・

このギャラリーの剥製やジオラマなどはすべて学生たちが作ったものだそうで、
さすが専門分野、生態などうまく再現されてました。

気さくな所長のチャールズ教授、ギャラリー見学後に我々を中庭に案内した際に、
「もっと貴重なものがありますよ、ぜひ見て行って下さい、わたしの愛車です!!!」
と、なんと・・・
BlogPaint
ワーゲンビートル1967年式!!!
わたくしが1976年式の最後のビートルに15年間乗ってたお話しをするとすっかり意気投合、話が弾みました。でもここまできれいに乗っておられるとは・・・
かなりのマニアですねえ・・・


DSCN6601
後付けしてあるウォルフスブルグのエンブレムも、わたくしのと同じだったし・・・


DSCN6602
こちらの国識別プレートもわたくしの貼ってたデカールと同じパターンでした・・・


と、最後はワーゲンビートルの話題でおおいに盛り上がった所長とお別れし・・・
DSCN6606


大学事務局のある本部の前で・・・
BlogPaint
恒例の記念撮影・・・

この後は、やはりサバ大学の構内にある付属水族館を見学します。

(次号、最終回に続きます。)