ちょうど一週間前の土曜日、やっと観てきました。

INCONVENIENT TRUTH(邦題「不都合な真実」)

わたくし、映画館へ足を運ぶのは、じつに久しぶりでありました。
当日夜、思いつくままメモしていたのを、やっとアップした次第です。

アル・ゴア元合衆国副大統領の主演というか、講演というか、解説というか、
温暖化防止とCO2削減に向けた、一種の啓蒙映画であります。

国内の政敵はもとより、あちこちから批判もある作品ですが、
過日、アカデミー賞もとっちゃいましたね。(また、受賞に対しての批判も・・・)

わたくしのとりあえずの感想では、よくできた面白い作品だと思います。
温暖化に関する啓発用ビデオなんかは、けっこう見てきたつもりなんですが、
こんなにわかりやすく面白く伝えるのは、今までなかったです。

「温暖化は、地球が間氷期に入ったからだ。」とか、
「太陽の黒点活動が原因だ。」とか、
「そんなに温度や海水温は上昇していない。」とかの懐疑派に対して、
過去65万年分のデータや1000年分の詳細なデータ、
自分で行ってきた最新の現地取材映像を示してわかりやすく解説してました。

喫煙と肺がんの因果関係が明らかになった頃の、煙草業者や懐疑派の医者の例を挙げ、
「消費者に疑問を抱かせることが重要だ。」といったキャンペーンの実態も面白かったです。にっこり
(ま、それを認めたうえで、禁煙できない、しない、という人間も存在しますが・・困った
)

「温暖化がすすんだところで、そんなに急に気候は変わらない。」
という懐疑派に対しても、衝撃的なデータや画像で解説してましたが、
少しの温度変化で局地的な気候変動が、数年からせいぜい10年のオーダーで劇的に起こる、
というのは、わたくしも内蒙古で実際に体験してるので、説得力がありました。

これを観た多くのアメリカ国民が色めき立って攻撃する、
というのも、なるほどと納得できるぐらい、
合衆国の政府や企業、消費者を、けちょんけちょんにこき下ろしてるのも面白かったです。拍手

この映画、大統領選前に公開されてたら、あんなややこしいブッシュとの接戦にならず、
圧倒的な勝利、あるいは圧倒的な敗北になってたでしょうね。
それほどインパクトのある、自分の立場をはっきりさせた作品です。

字幕つきの洋画を楽しめるぐらいの年齢なら、子どもにも分かりやすい内容ですので、
ぜひ、ご家族でのご観覧をオススメします。これはきっぱりと

ちなみに八時からのレイトショーでしたが、若いカップルや若い女性同士の観客で、
劇場はほぼ満席状態でした。
「最近の若い者は・・・げほげほ」とか思ってたのですが、いやいやなかなか、
これがいちばん嬉しかったですね。ほんとうに観に行ってよかったです。うんうん


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(2006.07.27.中国内蒙古自治区、クブチ沙漠の植林地にて撮影。
人類がすっかり砂漠化してしまった土地に、わずか10年ほどで生態系が戻りつつあります。
この活動についても懐疑派は、
「木を植えたら僅かな地下水を吸い上げて蒸散させるだけ。環境破壊だ。」と反論しますが、
その水蒸気が雲になって雨を降らせ、しっかり木が根付いた土が保水して土中の生態系も回復、そして農業もできる、
ここは、もともとそんな土地だったんですよ。
一度でいいから現地の状況を見て、それから反論しなちゃい!)