中国・植林ツアー報告の四回目であります。

さて、内モンゴル自治区のクブチ沙漠で植林を終え(夕食もたっぷり食べてから)、バスで包頭駅に着きました。わたくしが包頭を訪れたのは6年ぶりですが、さらにそれ以前、北京行きなどの列車に乗った頃の包頭駅は古くて殺風景な汚い駅だったのですが、今や見事な駅ビルに変身してました。(前回画像参照)
包頭市街も、以前は製鉄の街で道路の舗装はガタガタ、あちこちに水たまりがあって埃まみれ、夜は真っ暗になる街でしたが、今は世界中からレアメタルのバイヤーが押し寄せる国際都市になり、幹線道路はライトアップされ、高級ホテルといえばロシア式の「青山賓館」だけだったのが、あちこちに近代的な高層ホテルが建ち並び、街のネオンサインがきらめいてまさに不夜城・・・そういえば先週の新聞に、中国がレアメタルの国際取引所を包頭市に設立するとの記事が載ってましたね。
90年代に隊で、緑化を所管する包頭市の建設局を表敬訪問した際には、副市長や建設局長などのお歴々がこぞって歓待してくれたのですが、今ならよほどの要人でもない限りハナもひっかけてくれないかも・・・

で、現地ガイドのおねいさんが駅員のおねいさんと交渉し、かなり早めに一等客専用VIP待合室に入れることになり、ここで二時間以上、列車を待つことになったのですが・・・(時間のかかるパスポートなどのチェックを、改札前に受けておかないと乗車できないそうです。)
この部屋・・・
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まったく窓がないのにエアコンが切れててとても蒸し暑く、
むしろ駅前の路上のほうが涼しかったです・・・

しかも前面はガラス張りで向こうは一般待合室・・・つまりそちら側から丸見え・・・
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この画像は改札が始まって並んでる時ですが、それまでは前の通路にも人がいっぱい、
通路に新聞紙などを敷いてみんながごろ寝してるので、足の踏み場もない状況でした。
こっちを見ながら食事を作る家族があったりで、その頃の画像は撮れませんでした・・・
そーいや昔の大阪駅でスキーやでかいキスリングを持って信州行の急行「ちくま」を待ってた頃と似てましたねえ・・・(古)

一般客は若い女性が多かったので現地ガイドに訊けば、西安への出稼ぎが殆どでしょう、とのこと、夏の観光シーズンで賑わう西安のほうが包頭より、まだまだサービス関係とかの仕事があるんでしょうね・・・
みなさん荷物を殆ど持ってませんでしたが社員寮完備の仕事が多いそうで、まさに身体ひとつでの出稼ぎ、ただし社員寮とはいっても八畳で16人が標準だそうで、つまり二段ベッドがぎっしりと詰まっているだけの部屋だそうです。
やはり貧富の差は大きいようですね・・・

わたくしは、ま、せっかくなので・・・
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寝転がっている人たちの間をすり抜けて、売店でビールを買ってきました・・・
(つまみの激辛酢蟹は別の隊員が買ってきたもので、ほんとに辛かった・・・)
んで、
ローリングボストンをテーブルにしてと・・・
売店に行ったついでに一般用のトイレにも行ったのですが、さすがに新しい駅ビルだからでしょうか、掃除もされてて、日本の駅の公衆トイレとさほど変わらない、比較的きれいなトイレ・・・だったのですが・・・
やはり個室にはドアがなかった・・・
男性小用の反対側には、ずらっと個室が並んでいるのですが・・・すべてにドアがない・・・
壊れたり外したりしたのではなく、はじめからないのでありますね、これが・・・
で、そちらで用を足している人と、ヘタすると視線が合うんですよね、これが・・・
女性用はとーぜん両側に個室が並んでおり、やはりドアはなかったそうで一緒に行った女性隊員はさすがに用を足せずに、そのまま出てきたとのこと・・・
やはり民族性のちがいなんでしょうね・・・
ちなみに別の場所にあって、早い時間に閉鎖されてしまったVIP専用トイレの個室にはいちおードアがありましたが、すべてのカギやヒンジが壊れてて閉めることはできませんでした・・・

で、日付が変わる頃、ようやくVIP専用改札から素敵な駅員さんの案内でホームへ・・・
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包頭からひとつ東の大都市、呼和浩特(フフホト)始発の西安行き快速夜行列車で、われわれはこの列車の軟座(一等)個室寝台車に乗車します。
包頭から西安に行くには、今までは銀川や蘭州を廻って行くルートだけだったのですが、最近まっすぐに南下する新線ができたそうで、かなり時間も短縮されたようですが、それでも約1000km、約13時間の旅であります。

ちなみに今回のように途中駅から乗車する場合は、始発駅から添乗員などが乗って見張っておかないとたちまち占拠されてしまう、とゆーのは、中国で鉄道を利用する度に聞いていた話なのですが、今回は要員が手配できなかったのか、それともひとつ手前が始発なのでついつい油断したのか添乗員が乗っておらず、案の定、わたくしたちの四人用個室も家族連れに占拠されてました。

いかにもわたしたちは正当に乗車していた、といった態度でしたが、まあ最後は気持ちよく退去してくれ・・・たのはいいのですが、寝台のシーツや枕はすでにぐしゃぐしゃ、ま、家族連れだから仕方ないか・・・
車掌にシーツなどを替えるよう苦情をいっても無駄で、せいぜい追い出してくれるだけだそうです。そもそも始発駅から個室に乗っていない方が悪い、指定料金も始発駅からなんだから、とゆーことらしいですね。ま、フフホトから包頭まで外からカギを閉めとけばいいだけなのですが、空室を立ち客が利用するのは合理的といえば合理的、やはり感覚のちがいですね。
そういえばVIP待合室でもカギが開いてたので、何度も一般客が入ってきて中には居座るカップルもおり、現地ガイドが「一等乗車券を見せろ」といっても「あなたにその権利はない」といわれて駅員を呼んだりしてました。

さらにちなみに、最近は旅行業者でも指定席の一括確保は不可になり、親戚の名前を全部使ったとのこと、ま、こちらは公平性もいくらかは考慮されるようになった、とゆーことなのでしょうが、軍や政府関係者により突然指定席を取り消されることは今でも多いらしく、中国の鉄道網は、まだまだ軍や政府関係が最優先、まあ軍事施設そのものなんでしょうね・・・

で、こちらが一等寝台の四人用コンパートメント・・・
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今回の旅ではわたくしは若手の部類、とーぜん上のベッドを使いましたが、さすがにゆったりしてました。以前、硬座(二等)寝台に乗った時には三段ベッドで長さは充分なのですが、最上段は高さが50cmもなく、しかも内張り天井がなくて、潜り込んで横たわれば鋼鉄製の錆びた屋根に手が届きました。そこには文庫本サイズの手動開閉式の換気ハッチがあり、唯一、息苦しさを紛らわせてくれたものでしたが・・・

で、この夜の発車時刻は午前1時過ぎ、植林作業の疲れもあったため・・・
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荷物台に置いたシーバスリーガルを柿ピーでちびちびやってたのですが、
さすがに午前2時前には就寝しました。

さて、翌朝の車窓風景であります。
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画像を拡大していただくとわかりますが、黄土高原の典型的な風景であります。
砂の積もった地層の断面のあちこちに横穴が穿たれていますが、昔はここを住居にしていたそうで、夏は涼しく冬は暖かく、今では農産物の倉庫などに使われているそうであります。

で、予約の時間に食堂車に行き・・・
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ほとんどが一般車両からあふれた人たちでしたが、その席に予約客が来るまでは特に追い出さないようでした。

で、新線の車窓を眺めて待っていると・・・
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朝食であります。
不思議な組み合わせですが、小豆粥、ミルクティー、漬物2種、ボイルドエッグに饅頭に中華ハムといった、きわめてヘルシーでシンプルな朝食でした。

やがて、毛沢東の「長征」の最終目的地で、中国革命の聖地となった延安市に到着。
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もちろん、紅色革命の聖地としての観光客も多いようですが・・・


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「黄土(高原)風情も感受してねっ!」とゆーキャッチコピーもありますね・・・

風景はまったく変わらないので延安→西安間の鉄ヲタ向け画像「世界の車窓から・・・」

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高速列車「和階号」用の機関車???


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こちらは保線作業車でしょうか・・・でもエアコンみたいなのやカーテンも付いてるし・・・


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ま、よくわかりませんが・・・新線だけあって線路やホームは真新しいです・・・

とかいいつつ、鉄道の旅はけっこう、のんびりゆったり過ごせるので・・・
(ま、硬座のほうは満員で、のんびりゆったりどころではないでしょうが・・・)
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こんなところに行ったり・・・まだ残っててよかった・・・


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車内販売でこんなのや・・・


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こんなの買って飲んだり・・・水分補給はまめにしないとね・・・

とかしているうちに、今度は昼食のお時間であります。
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昼の食堂車は人民軍・夏用制服のおねいさんやおにいさんたちでいっぱいでした。
士官学校とかの生徒さんでしょうか、若いおねいさんが多かったです。
やはりこちらも軍優先なのか・・・
各自が金属製飯盒を使っているのがおわかりでしょうか・・・
このあたりは軍隊らしいですね・・・

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昼食の内容も、こちらのわれわれのものとは異なってました・・・

で、昼食が終わってしばらくすると、いよいよ列車は・・・
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現中国・西部最大の都市であり、かつてはオリエント世界の中心だった長安の都・・・

そう、西安市に到着したのであります。ふう、やっと着いたぞ・・・

(以下、次号に続きます。)